動悸

動悸とは

高脂血症(脂質異常症)が引き起こす病気動悸(どうき)とは、自分の拍動に敏感になり、不快感・違和感などを自覚する状態を指します。
脈拍の速さは関係なく、正常な速さである場合や、徐脈である場合でも、動悸は起こりうるものです。
不快感・違和感というとイメージがしにくいかもしれませんが、大きくは以下の3パターンに分けられます。

  • 脈拍が速くなり、拍動がドキドキと伝わってくる
  • 拍動が大きく、ドクンドクンと脈打つように伝わってくる
  • ドキッと胸が詰まるような感覚がある

動悸以外にこんな症状があれば
要注意

運動をしたとき、緊張をしたとき、一時的に動悸があり、休んだり緊張が解けて速やかに治まるのであれば、基本的に心配はいりません。
一方で、安静にしているのに動悸がするといった場合や、以下のような症状を伴う動悸がある場合には、何らかの病気が背景に隠れている可能性が高くなります。

  • 胸や背中の痛み
  • 冷や汗
  • 吐き気、嘔吐
  • めまい、ふらつき
  • 息切れ、息苦しさ、呼吸困難
  • 意識が遠のく、失神
  • 血圧低下

特に、強い胸の痛み・冷や汗・吐き気・嘔吐・失神などの症状を併発している場合には、緊急外来の受診も検討します。判断に迷った場合には、救急安心センターの「#7119」に電話をしてください。相談員が応対し、応急処置の指示、救急要請の判断などをしてくれます。

動悸は何が原因で起こる?

労作・緊張

運動をしたとき、緊張をしたときの動悸は、誰もが経験するものです。通常は休憩をしたり、緊張が解けたりすると、速やかに動悸も治まります。それ以外のときに動悸がないのであれば、特に心配はいりません。

カフェイン・アルコールの摂り過ぎ

カフェインやアルコールの摂り過ぎは、いずれも自律神経を刺激し、脈拍を速めるため、動悸を感じやすくなります。

疾患

冠動脈疾患、甲状腺機能亢進症、更年期障害、精神疾患などの疾患の症状の1つとして、動悸が現れることがあります。

薬の副作用

血管を拡張する薬、副交感神経を弱める薬など、一部の薬の副作用として動悸が現れることがあります。

動悸に関係する病気

狭心症・心筋梗塞

冠動脈が細くなる・詰まりかける病気を「狭心症」、閉塞してしまう病気を「心筋梗塞」と呼び、どちらも動脈硬化を主な原因とします。
胸痛や胸の圧迫感、動悸、息苦しさ、呼吸困難、失神などの症状を伴います。心筋梗塞の場合、最悪の場合には命を落とします。

不整脈

脈が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりすることを指します。
動悸、息切れ、胸の不快感、吐き気、冷や汗、意識低下などの症状を伴います。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺からのホルモンの分泌が過剰になる病気です。
動悸、息切れ、倦怠感、手足のしびれ、食欲亢進、体重減少、多汗、イライラなどの症状を伴います。

更年期障害

閉経の前後のおおよそ45~55歳くらい(更年期)に発症し、ほてり、のぼせ、動悸、発汗、冷え、めまい、耳鳴り、無力感、皮膚の乾燥など、さまざまな症状を伴います。

低血糖症

血糖値が50mg/dL未満になり、脳の中枢神経でエネルギーが枯渇し、強い空腹感、冷や汗、動悸、ふるえ、目のかすみ、眠気などの症状を伴います。重症化し、けいれんや昏睡に陥ることもあります。
糖尿病の薬を飲んでいる方によく見られます。

貧血

血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなり、全身で酸素が不足します。
めまいや立ちくらみ、頭痛、動悸などの症状を伴います。

精神疾患

パニック障害・不安障害、うつ病、適応障害などの精神疾患の症状の1つとして、動悸が起こることがあります。

動悸の検査方法

心エコー血液検査、心電図検査、心エコー検査などを行います。
当院では、24時間ホルター心電図検査にも対応しています。院内の心電図検査では診断が難しい不整脈などの発見が可能です。

動悸の治療方法

動悸の症状が現れたときには、まずは楽な姿勢で安静にしてください。深呼吸をして呼吸を落ち着かせ、動悸が治まるのを待ちます。そしてその後、受診してください。(※動悸が30分以上続く場合には、救急車を呼んでください。)
なお、すべての動悸に治療が必要になるわけではありません。症状が軽く、心電図検査などで異常が見つからない場合には、経過観察に留めることがあります。
不整脈を原因とする動悸の場合は、以下のような治療を行います。

薬物療法

心臓からの異常な電気信号を抑制する、心拍の増加を抑える、血管の収縮を抑えるなどの作用をもつ抗不整脈薬を使用します。

カテーテルアブレーション

脚の付け根からカテーテルを通し、心筋の一部を焼き切る治療です。

手術

ペースメーカーやICD(植え込み型除細動器)の埋め込み、心房の壁を切除し痙攣を抑制するメイズ手術などが行われます。

動悸を感じた時は出来る限り
記録してください

患者さんにお願いしたい受診する際のポイント動悸を感じたときは、どのような動悸であったかを、できる限り記録(簡単なメモで構いません)して受診の際にお持ちください。
診断において貴重な情報となります。特に、以下のような情報が得られれば幸いです。

  • 何か(家事、運動など)をしている最中であったか、安静時であった
  • どんな感じの動悸が、どれくらいの時間続いたか
  • 突然始まり突然止まったのか、徐々に始まり徐々に治まったのか
  • 脈拍数はどれくらいだったか
  • 脈拍が規則正しいか、飛ぶなどの不規則なものであったか
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