脈拍について
脈拍とは、心臓が血液を全身へ送り出す際に生じる血管の拍動のことを言います。通常、安静時の脈拍数は1分間に60~80回程度が目安となっていますが、年齢や体力、体調、時間帯によって脈拍は変動します。運動後や緊張時に脈が速くなるのは自然な反応ですが、安静にしていても脈拍が速い状態が続く場合は注意が必要です。そういった際はお早めに内科クリニックまでご相談ください。
脈拍が早いとは?
医学的には、安静時に脈拍が100回/分以上の状態を「頻脈(ひんみゃく)」と呼びます。脈が速い際の自覚症状としては、下記のような症状があげられます。
- 心臓がドキドキする
- 胸がざわつく
- 息切れ
- めまい
- ふらつき
ただ、脈拍が基準値より早くても自覚症状を感じない方もいます。
脈拍が早くなる原因とは?
脈拍が速くなってしまう原因として、大きく生理的な要因と病的な要因の2つに分けられます。
① 生理的な原因(心配の少ないもの)
以下のような状況では、誰でも一時的に脈拍が速くなってしまいます。
- 運動や階段昇降後
- 緊張、不安、ストレス
- 発熱時
- 睡眠不足や疲労
- カフェイン(コーヒー、エナジードリンク)摂取
- 脱水
これらは自律神経系の働きによるものであり、脈拍が早くなっている原因が取り除かれれば自然と脈拍は改善します。
② 自律神経の乱れ
ストレスや生活習慣の乱れにより交感神経系が優位になってしまうと、心拍数が上がりやすくなってしまいます。検査で異常が見つからないにもかかわらず、「脈が早くて不安」という方に多くみられます。些細なことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。
③ 貧血
赤血球が少ないと、体は酸素不足を補うために心拍数を上げてしまいます。心拍数があがると下記のような症状がみられるようになります。
- 脈拍が早い
- 動悸
- 息切れ
- 倦怠感
上記のような症状がみられる場合は貧血が原因となっている可能性があります。
④ 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が高まり、脈拍が早くなってしまいます。甲状腺機能亢進症では頻脈以外で、下記のような症状を感じるようになります。
- 手の震え
- 発汗増加
- 体重減少
- 不安感
⑤ 感染症・発熱
体温が1℃上昇すると、脈拍は10回/分ほど増加すると言われています。感染症による発熱時の頻脈は、体の自然な反応であり、体温が平熱にもどると脈拍も自然と改善されます。
⑥ 心臓の病気・不整脈
発作性上室性頻拍、心房細動、心不全などの心疾患が原因で脈拍が早くなることがあります。特に、下記のような場合には注意してください。
- 突然始まり突然治まる
- 脈が非常に速く規則的、または不規則
脈拍が早いときに注意すべき症状とは?
次の症状を伴う場合は、お早めに内科クリニックまでご相談ください。
- 安静時でも脈拍が100回/分以上続く
- 脈が不規則
- めまい、失神、胸痛、息切れを伴う
- 夜間や早朝に動悸で目が覚める
- 高齢になってから頻脈が出現した
脈拍の測り方について
脈拍はご自宅でも簡単に測定することができます。ぜひ参考にしていただければと思います。
- 手首の親指側(橈骨動脈)に指を当てる
- 15秒間数えて×4で1分間の脈拍数を算出
- 安静にした状態で測定する
頻脈がみられる際に行う検査について
頻脈が生じている原因を調べるため、以下のような検査を行います。
- 心電図
- 24時間ホルター心電図
- 血液検査(貧血、甲状腺機能、電解質)
- 心エコー検査(心臓超音波検査)
症状が出ていない時間帯の心電図では異常が見つからないこともあり、症状の出方の情報が重要となります。医師が必要と判断した場合はホルター心電図検査を行います。
日常生活でできる頻脈の対策
- 十分な睡眠時間を確保する
- 水分補給をこまめに行う
- カフェインやアルコールの摂取量に気を付ける
- 深呼吸やストレッチでリラックス
脈拍は体調を映す重要なバイタルサイン
脈拍が早い場合はストレスや発熱といった一時的なものから、貧血、甲状腺疾患、不整脈など治療が必要な病気まで様々な要因が考えられます。「いつもより脈が早い」「ドキドキが続く」と感じられましたら、お早めに内科クリニックまでご相談ください。早期の確認が安心と健康につながります。






