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2025.08.20

【詳しく解説!】頻脈の原因とは?

頻脈とは?

頻脈(ひんみゃく)とは、心臓の拍動が通常より速くなっている状態のことを指します。一般的に成人では安静時の脈拍数が1分間に100回以上であるときに「頻脈」と診断されます。

心臓は全身に血液を送るポンプとしての役割を担っており、拍動が速すぎてしまうと効率よく血液を全身に送り出せなくなってしまう場合があります。頻脈は一時的に起こることもありますが、何かしらの病気が原因となって発症していることもあります。頻脈が生じた際はお近くの循環器内科を標榜しているクリニックまでご相談ください。

 

頻脈の主な種類について

頻脈には大きく分けて2つのパターンがあると言われています。

生理的な頻脈

運動や緊張、発熱、カフェインやアルコール類の過剰摂取などによって、一時的に脈が速くなってしまうことがあります。これらは脈拍が早くなってしまっている原因が取り除かれれば自然と落ち着きます。

病的な頻脈

心臓の異常や何かしらの病気によって頻脈が生じるものです。例として以下のような病気があげられます。

  • ・心房細動
  • ・発作性上室性頻拍
  • ・心室頻拍 など

頻脈の原因は?

頻脈が発症する原因は非常に幅広く、以下のような項目が原因としてあげられます。

  1. 生理的な原因

体の正常な反応として脈が自然と速くなってしまう場合です。これらは一過性のものであり、原因が解消されれば自然に脈拍は落ち着きます。

 

運動や労作

身体を動かすと全身で酸素需要が高まり、心臓が拍動を速めて血液を全身に送り出すために脈拍が早くなってしまいます。

精神的緊張・ストレス

交感神経系が優位になると脈が速くなってしまいます。試験前や人前で話すときに「ドキドキ」と脈が早くなることがあるかと思いますが、これも精神的緊張・ストレスが原因となって脈が速くなっています。

発熱

体温が1℃上昇するごとに脈拍はおおよそ10回程度増えるといわれています。発熱で体温が上がってしまうことで脈拍が早くなっています。

脱水

体内の水分が不足すると血液の量が減ってしまうため、血圧を維持するために心拍数が自然と増えてしまいます。

カフェイン・アルコール・喫煙

これらを摂取すると交感神経が刺激され、その結果として心拍数を増加させてしまいます。

 

  1. 心臓そのものの病気による原因

心臓の構造や電気信号の異常で頻脈が生じることがあります。

 

心房細動

心房が不規則に震えることで脈が速くなったり、脈が不規則になってしまう病気です。脳梗塞のリスクが高まります。

発作性上室性頻拍

心房や房室結節に異常な電気の通り道があり、急に脈が速くなる発作を引き起こしてしまいます。

心室頻拍

心室で異常な電気信号が生じる危険な不整脈です。治療せずに放置していると心停止に至る可能性があります。

心筋梗塞や心筋症

心筋に異常が生じることで電気信号の乱れが起こり、その結果として脈拍にも影響が出てしまうことがあります。

 

  1. 全身性の病気による原因

心臓以外の病気でも頻脈が引き起こされることがあります。

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰になってしまうと代謝が上がり、心拍数も増えてしまいます。

貧血

血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが不足してしまうと、全身に酸素を送るため心臓が拍動を速めてしまいます。

低酸素血症

COPDや肺炎などの肺の病気によって血中酸素が低下してしまうと、心臓は拍動数を増やしてしまいます。

ホルモン異常や代謝疾患

副腎腫瘍によるカテコラミン過剰なども頻脈を引き起こす原因になります。

 

  1. 薬や外的要因による原因

薬剤性

気管支拡張薬、ステロイド、甲状腺薬、利尿薬などの薬を内服していると副作用として頻脈が発症することがあります。

脱水や電解質異常

特にカリウムやマグネシウムの異常は不整脈を誘発してしまいます。

過度なアルコール摂取(ホリデーハート症候群)

アルコール類を飲み過ぎてしまった翌日に心房細動などを起こすことがあります。

 

  1. ライフスタイルやその他の要因

睡眠不足

自律神経系のバランスが乱れてしまうことで心拍数が上がることがあります。

肥満や生活習慣病

高血圧、糖尿病、脂質異常症は心臓に負担をかけ、頻脈や不整脈のリスクを高めてしまいます。

加齢

加齢に伴い心臓の電気伝導系が変化し、不整脈が起こりやすくなります。

 

頻脈を予防するために生活上でできる工夫

日常生活の中で頻脈を予防・軽減するためには、次のような工夫が有効となります。

 

  1. 自律神経のバランスを整える
  • ・十分な睡眠をとる
  • ・ストレス解消の時間を意識的に持つ
  • ・深呼吸や軽いストレッチで身体を動かす

  1. 食生活の見直し
  • ・カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)の過剰摂取は控える
  • ・アルコール類の飲みすぎを避ける
  • ・鉄分(貧血予防)、野菜や果物を意識的に食べる

  1. 水分・電解質の管理
  • ・脱水を防ぐため、適度な水分補給を心がける
  • ・夏場や運動時などの汗を書いた際は塩分・ミネラルも一緒に摂取する

  1. 運動習慣
  • ・負荷のかかりすぎる無理な運動は控える
  • ・軽めの有酸素運動(ウォーキングや自転車など)は定期的に実施する

  1. 禁煙
  • ・喫煙すると交感神経が活発になり、心拍数高まってしまうため禁煙をすること

まとめ

頻脈は一言でいえば脈が速い状態のことを言いますが、頻脈の原因は運動や緊張などの一時的なものから、心臓病や甲状腺疾患などの他の病気が原因となる場合など様々です。

頻脈が一時的で自然と治まることもありますが、胸痛・めまい・失神を伴う場合は循環器内科を標榜しているクリニックにお早めに受診するようにしてください。日常生活では、睡眠・食生活・水分管理・禁煙・運動習慣といった基本的な生活改善が、頻脈の予防や軽減に繋がりますので意識していただければと思います。

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