成人男性によくみられる髪が薄くなる状態のことで、20~69歳男性の約3人に1人がAGAと言われています。
部位は、額の生え際・前頭部・頭頂部が多く、
原因は、遺伝や男性ホルモンの影響で、髪の毛が長く太く成長する前に抜けてしまうためと考えられています。
放置すると進行するため、早めのケアが大切です。
ただし、うす毛になっていても、うぶ毛・毛包が存在している限り、髪の毛は太く長く育つ可能性があります。
決してあきらめる必要はありません。
1)思春期以降に始まり、徐々に進行する。
2)額の生え際や頭頂部がうすくなる。
3)うぶ毛のような、十分に育たない髪の毛が多くなる。
4)太くしっかりした髪の毛が、細く短い髪の毛になり、頭皮が透けて見えるようになる。
5)両親、兄弟、祖父母に脱毛症を認めることが多い。
円形脱毛症:
ストレスが引き金になり、突然円形や卵型に髪の毛が抜けます。自己免疫機能が原因と言われています。
粃糠(ひこう)性脱毛症、脂漏(しろう)性脱毛症:
フケが増え、抜け毛が増えます。フケで毛穴がつまって、毛根部の活動が悪くなるためと言われています。
機械性脱毛症:
額の左右の生え際が後退します。髪の毛を長年にわたり引っ張っていると毛包が萎縮するため起こると言われています。
抜毛症(トリコチロマニア):
自分で髪の毛を抜いてしまう病気です。情緒障害、ストレスなどが原因です。
薬剤による脱毛:
高度のびまん性脱毛をきたします。抗癌剤が有名ですが、抗癌剤以外の薬剤によっても起こることがあります。
季節の抜け毛:
これは病気ではありませんが、特に8月~11月にかけ、多い時で少ない時の2.5倍、抜け毛が多くなります。
では、日常生活では何を心がけたら良いでしょうか?
1)正しいシャンプーをする
・頭皮をマッサージするように洗う
・シャンプーをしっかり洗い流す
・タオルで叩くように水分を取り、ドライヤーはあまり熱くしない、ぬれた状態は髪を傷めます
・朝よりも夜に洗う(髪の成長は22時~2時、その前がお勧め)
2)バランスのとれた食事
・たんぱく質:納豆、豆腐、卵、サケ、サンマ、鶏ささみ など
・ミネラル:牡蠣、いわし、ごま、わかめ、昆布、アーモンド
・ビタミンC:ピーマン、トマト、レモン、ブロッコリー
・ビタミンA:にんじん、レバー、ほうれん草、銀ダラ、あん肝
・ビタミンB6:のり、わかめ、チーズ、卵、レバー、胚芽米
※たんぱく質と海藻類を同時に取るのがコツです(海藻類だけでは育毛効果はありません)
・よくない食べ物:糖分、アルコール、高カロリー食
3)禁煙する
・喫煙により毛根への血行が悪くなり、ダメージを与えます。
4)ストレスを回避する
治療としては、以下のように分類されます。
1)薬物療法
・医療機関で処方されるもの:プロペシア、ザガーロ など
・薬局・ドラッグストアで購入するもの:リアップ など
2)外科的治療
・医療機関での自毛植毛術
3)整容
・かつら
・内服はいつでもOKですが、24時間毎が望ましいです。
・6ヶ月間服用しても効果が認められない場合は、医師にご相談ください。
・女性や小児は内服できません。特に妊婦は注意してください(胎児に影響を与えるおそれがあります)。
・錠剤を割って飲まないでください(コーティングされているので、効果が減弱します)。
・前立腺がんの検査を受ける場合は、医師にご相談ください(PSA値を約50%低下させます)
・内服中の献血はできません(1-6ヶ月の休薬が必要です)。
・塗るタイプの育毛剤と併用しても問題ありません。
1)プロペシア 1mg
・1年間投与で58%、2年間で68%、3年間で78%の改善効果(20~50歳)(但し、著明改善は2~6%程度)。
・1年間投与で40%、2年間で31%、3年間で20%の現状維持効果(20~50歳)。
・後発品があり、安価。(フィナステリド28T/箱で、¥6120、診察料・税込み)
2)ザガーロ 0.5mg
・プロペシアと比べ、効果が約1.6倍高い。
・新製品のため、やや高価。(ザガーロ30T/箱で、¥9680、診察料・税込み)
※令和2年4月の診療報酬改訂により、ザガーロが\10340に値上げされます。ご了承ください。
※令和2年11月、ザガーロの後発品(デュタステリド)が発売されました。(30T/箱で、¥7150、診察料・税込みです)
お薬は薬局を経由せず、診察室でお渡しします。
※令和元年10月以降の価格に改定しました。