コレステロールは体の組織やホルモンの原料になるなど重要な働きをしています。
しかしコレステロールが多すぎると、血管の壁にコレステロールがたまり、「こぶ=プラーク」ができ、血管が詰まる原因となります。
プラークには「ソフト」と「ハード」の2種類があり、ソフトプラークは触るとブヨブヨしています。
多くの方が、「プラークは徐々に大きくなり、ついに血管を塞いでしまう」と思われていますが、実は違います。
ソフトプラークが破裂すると、そこに「血栓」ができます。この血栓が飛んでいって詰まるのです。
つまり、プラークがさほど大きくなくても、破裂すれば血栓ができて詰まる可能性がある、ということです。
正直皆さんの周囲で大変な目に遭った人はほとんどいないので、ピンとこないのはわかります。
しかし私は仕事上、そういう人をたくさん診てきました。
Cさん(58歳)は、仕事中に突然激しい胸痛が出現。病院に救急搬送されて来ました。検査の結果、心臓に栄養を送る細い血管3本のうち2本が詰まりかかっていました。心筋梗塞と診断され、すぐステント治療(細くなったところを金属の網で広げる)が行われ、何とか一命を取り留めました。
結構血管が傷んでいたので、さぞかしコレステロール値が高いだろうと思っていました。しかし実際は、LDL値156mg/dlでさほど高値ではありませんでした。本人に確認すると、「以前から言われてたが自覚症状がないので放置していた」そうです。
頸動脈エコーにてプラークの検索を行ったところ、20%狭窄の部位が見つかりました。
確かに脂質異常症の方が重大な病気を発症する確率はそう高くないかもしれません。
が、突然、著しく生活の質が低下するケースもあるということです。
あなたは、「99%安全な飛行機(1%の確率で墜落する)」をどう思いますか?
あなたのすべきことを教えましょう。
1)生活習慣を改善すること
2)現状を把握し、目標値を設定すること
3)必要なら治療を受けること