当院は開院当初より「総合内科専門医」として、地域の皆様の「かかりつけ医」「ホームドクター」となれるよう日々邁進しております。
先日、「総合医が必要な4つの理由」について、聖路加国際病院院長の福井次矢氏と、筑波大学教授の前野哲博氏の対談記事がありましたので抜粋しますと、
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第一は、専門性にこだわらず全体的な視点から問題点の仕分けが的確にできる医師が必要だという点。
多くの患者さんは、「お腹が痛ければ、消化器科」「胸が痛ければ、循環器科」などと、それぞれの専門医を受診します。しかしそう簡単ではないこともあり、受診した医師の専門分野から外れたためになかなか診断が付かず、患者さんにデメリットが生じることがあります。実際、東日本大震災の被災地では、臓器別の専門医よりも、幅広い診療能力を身につけた医師の方が対応できる問題が多かったことが、いろいろな場面で指摘されています。
第二が、高齢社会にあって数多くの病気を持っている人が増えている点。
患者さん一人当たりの疾患数は65歳以上で4.6、65歳未満で2.3、一人当たりの受診診療科は65歳以上で4.3科、65歳未満で2.5科というデータがあります。日常的に発生する様々な健康問題に幅広く対応できる医師が必要とされています。
第三が、地域医療という視点から捉えた場合、医師が扱うべき疾患や健康問題が幅広く、多様な点。
「ある地域の健康を守る医師」は、骨折だけ、あるいは子供の病気だけ、女性だけを診るなど特定の病気だけを診ていては対応できません。診ようとする対象が、「臓器」でなく「地域」であれば、総合医にならざるを得ないのです。
第四が、総合医による医療提供の有効性・効率性。
まず総合医が診て、きちんと問題を整理してから専門医にお願いすれば、専門医は専門領域の診療に集中でき、効率がいいわけです。
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総合医とは何か、今総合医に何が求められているのか、専門医との違いは何か、という問題は、現在医師の間でも議論されています。「かかりつけ医」「ホームドクター」に求められていることが、今回の対談に書かれているように思います。
先日、中学1年生の時から当院に来られていた患者さんから、「先日大学に合格しました」と聞いた時は、とても感慨深いものがありました。・・・