予防医学では、「アドヒアランス 」がよく話題になります。
一体、何のことなのでしょうか?
「アドヒアランス」とは、「患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること」を意味します。
従来は、「医師の指示に患者がちゃんと従うか」という「コンプライアンス」という考えが主流でした。たとえば、お薬をちゃんと飲まない患者さんを「コンプライアンスが悪い患者」と呼んで、「医師に従わない悪い患者さん」という見方をしていました。
しかし最近では、患者さん自身の治療への積極的な参加(adherence)が大切であるとの考え、つまり「患者は治療に従順であるべき」という患者像から脱するアドヒアランス概念が生まれました。たとえば、お薬をちゃんと飲んでもらうためには、その治療法は患者にとって実行可能か、服薬を妨げる因子があるとすればそれは何か、それを解決するためには何が必要かなどを医療者が患者とともに考え、相談の上決定していく必要がある。という考えに変わってきました。
現実的には、「だまってこの薬を飲みなさい」という説明では、多くの患者さんは納得しませんし、納得していない薬は飲まないと思いますから、納得して頂けるよう説明をし、理解してもらうことが大切だと考えています。
いくら説明しても、理解してもらえないこともありますが・・・