禁煙と糖尿病は、一見関係ないように見えます。
しかし最近発表された論文によりますと、
1)喫煙は糖尿病患者のインスリン抵抗性を悪化させる。
インスリン治療を行っている患者さんについて、喫煙者は禁煙者よりもインスリンが15~30%多く必要と言われています。
また、喫煙はインスリンの皮下吸収を遅らせます。
2)糖尿病の喫煙者では総死亡や心血管死亡のリスクが高まる。
一般的に喫煙により総死亡率が上昇しますが、糖尿病では非糖尿病の人よりも、そのリスクがさらに上昇するとされています。
糖尿病男性患者において、非喫煙者に比べ、喫煙者の総死亡リスクは1.45倍上昇するデータもあります。
3)喫煙は腎障害を悪化させる。
糖尿病患者において喫煙者では腎障害を有する頻度が非喫煙者の4.5倍にのぼるデータがあります。
4)喫煙はその他の糖尿病合併症も進展させる。
糖尿病による神経障害や網膜症についても、同様に発症リスクが高まることが報告されています。
5)喫煙により糖尿病の発症リスクが高くなる。
今糖尿病でなくても、喫煙は糖尿病の発症リスクを1.44倍上昇させることが報告されています。
いかがでしょうか。
糖尿病・糖尿病型と言われた方は、この機会に是非、禁煙をご検討頂ければと思います。