夏場は汗をかいて・冬場は感染性胃腸炎(嘔吐や下痢)の流行により、脱水症状を起こす子どもさんが少なくありません。
脱水といえば点滴を思い浮かべる方も多いと思いますが、痛みも伴いじっとしていられない子どもさんの場合、家族も医師も大変です・・・
重症でない子どもさんに点滴を行うかどうか、で悩んでしまいますが、今日は経口補水療法の有用性について述べたいと思います。
数年前に欧米で急性胃腸炎のガイドラインが発表され、中程度までの脱水には経口補水療法が勧められています。
使用する経口補水液(ORS)の成分は、WHOにより定められており、スポーツ飲料より塩分が多く甘味が少ないイメージです。水やお茶、果汁などは塩分が少ないため、吸収されにくいとされています。
このORSは自分でも作れますが、「OS-1」という商品名で大塚製薬から市販されています。大塚製薬といえばポカリスエットが有名ですが、ポカリよりナトリウム濃度が約2.4倍、糖分が約4割と成分に若干違いがあります。この違いが吸収率に差を生むようで、スポーツ飲料ではORSの約5分の1しか吸収しないそうです。
飲み方のコツとしては、少量を5分おきにゆっくり飲ませます。もし少量でも吐くようなら15-30分後に再度試します。6回試みて駄目だったり、全身状態が悪い(普段と比べ、かなり弱っている)場合は医師に診てもらいましょう。
ORSは自分でも作れますので、もし脱水症状になった時はぜひチャレンジしてみて下さい。(結構塩辛いです・・・)
例)
・無塩トマトジュース 300ml
・水 700ml
・塩 3g
・砂糖 40g