Q1 動脈硬化とは?
血管の壁が肥厚し、血管が詰まりやすくなった状態です。
Q2 どうして動脈硬化は怖いのですか?
日本人の死因の約3分の1は動脈硬化を基礎とする疾患(脳卒中や心筋梗塞など)です。特に心筋梗塞の約70%は軽度の狭窄で起こると言われています。脳卒中(脳内出血や脳梗塞)についても、最近では脳梗塞による死亡率が脳内出血の約2.6倍と増えています。
Q3 動脈硬化の種類は?
・粥状動脈硬化=アテローム性動脈硬化: 高脂血症で起こり、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こします。大動脈、脳動脈など太くて重要な血管に起こりやすいです。
・細動脈硬化 脳や腎臓の動脈に見られます。高血圧との関係が深いです。
・中膜硬化 糖尿病の方に見られる動脈硬化です。
Q4 動脈硬化のでき方は?
1)血液中のコレステロールが高いと血管の内膜にコレステロールが蓄積します。
2)血管壁内にプラーク(細胞や繊維でおおわれた脂質蓄積プール)が発生します。
3)プラークが破れ、血栓が表面に発生、進展します。
4)血行が遮断され、脳卒中や心筋梗塞が起こります。
Q5 どのような人が危険なの?
主に高脂血症、高血圧、糖尿病の方です。喫煙、肥満、ストレス、家族歴も危険因子です。
Q6 どうしたら動脈硬化を防げますか?
食生活を含めた適切な生活習慣を身につけましょう。また、薬剤により高脂血症や高血圧を適切にコントロールすることも大切です。初期の粥状硬化は、ダイエットにて改善することが知られています。
Q7 上の血圧と下の血圧の差はどれ位が正常ですか?
上の血圧、下の血圧各々も大切ですが、最近の研究では、「平均血圧」と「脈圧」が注目されています。
「平均血圧」とは、細い血管内の血圧のことで、下の血圧+「上の血圧―下の血圧」÷3で求められます。 90が目安となり、110以上は要注意です。
細い血管の動脈硬化が進むと、心臓はより勢いよく血液を送り出さなければならないため、平均血圧が上昇します。平均血圧が高くなってきたら、動脈硬化の始まりといえます。
「脈圧」とは、太い血管の血圧のことで、上の血圧―下の血圧で求められます。50が目安となります。
太い血管の動脈硬化が進むと、心臓から送り出す血液の量が増えるため、脈圧が大きくなります。(脈圧が大きくなる疾患は他にもあります)
脈圧が大きいほど、心筋梗塞などの心臓病を発症するリスクが増すと言われています。上の血圧が高いのに下の血圧が低い場合、動脈硬化が太い血管に広がっている可能性があり、下の血圧が低くても安心できないことになります。