血圧とは、血液が血管の壁を押す圧力のことです。
高血圧になると、血液の圧力が強くなり、血管に大きなダメージを与えることになります。
高血圧を放置すると、動脈硬化になってしまいます。
動脈硬化とは、血管が傷ついてかたく、もろくなった状態です。
動脈硬化が進行すると、血管が破れたり詰まったりして、脳や心臓、腎臓の重大な病気の原因となります。
正直皆さんの周囲で大変な目に遭った人はほとんどいないので、ピンとこないのはわかります。
しかし私は仕事上、そういう人をたくさん診てきました。
IT企業に勤めているAさん(44歳)は、健康診断で高血圧と言われていましたが、忙しくて放置していました。
ある日会社で突然激しい頭痛がして意識を失います。気がついたら病院で寝ていました。
医師の診断は脳出血、気がつくと手足が不自由になっていました。ろれつも回りにくく車椅子が手放せない状態です。
はじめは優しく親切だった会社の上司は徐々に離れていき、ついに解雇を言い渡されます。
ひとりでは何も出来ず、入院生活も長期化。病院は「次の転院先を探してくれ」と言い出します。
結局その方は離婚され、実家で年老いた母と暮らしておられるそうです。
確かに高血圧の方が重大な病気を発症する確率はそう高くないかもしれません。
が、突然、著しく生活の質が低下するケースもあるということです。
あなたは、「99%安全な飛行機(1%の確率で墜落する)」をどう思いますか?
あなたのすべきことを教えましょう。
1)早朝の血圧を測ること。なぜなら~
2)生活習慣を改善すること
3)検査を受けること
4)必要なら治療を受けること
Q. 血圧が高いと病気なのですか?
A. 血圧は、朝と夜とで違いますし、緊張していたり、ストレスがかかっているときなどには高くなったり、逆にリラックスしているときには低くなっったり、常に上げ下げを繰り返しています。
ですので、一度血圧を測って高かったからといって、高血圧というわけではなく、その後に基準値内に下がれば、問題はないのです。血圧がいつも高い状態が続いていることが病気であって、その場合には何らかの対応が必要になるのです。
Q. どんな人が高血圧になりやすいのですか?
A. 高血圧になりやすくする危険因子として、以下のものがあります。これらを多く持っている人ほど、高血圧になりやすいと言えます。
・遺伝
・肥満
・耐糖能異常(糖尿病予備群)
・ストレス
・喫煙
・塩分の多い食事
・飲酒の習慣
両親がそろって高血圧の場合、その子が高血圧になる確率は約50%、片親だけが高血圧の場合には子が高血圧になる確率は30%前後というデータもあり、遺伝性があるのは確かです。しかし、遺伝があっても、その他の環境的な危険因子をなくせば、高血圧にはなりませんし、その逆に、親にも高血圧の体質はあったものの、環境因子が整っていて現れずにいた場合には、子どもが不摂生な生活をすれば、高血圧になる可能性は大きくなります。